「投資は感情的ではいけない」
このような助言が有名な投資家からされています。
投資においては売買が頻繁に行われます。
売り買いの判断は何かしらの根拠があるわけです。
ファンダメンタル分析においては、主に会社の財務状況、キャッシュフローの状況などを材料にします。
テクニカル分析においては、チャートの形から材料を得ます。
時間をかけて、労力をかけて、沢山の情報から投資判断を下すわけです。
ウォーレンバフェットは、朝からたくさんの新聞を読み、会社の財務分析を行い、年に数回投資判断を下すわけです。
個人投資家も機関投資家も同じです。扱っているお金の額はそれぞれ違うわけですが、「投資においての運用の手間は、額によって変わるわけではない」と言われます。
1万円と100億円の運用の手間は、大して変わらないわけです。
しかし、最近この投資判断のセオリーが崩れています。
SNSにおいて「空売りが溜まっている」という投稿を見て、「買え」の一言で買い群がる人たち。
有名人の「高すぎる」の一言で、「売る」人たち。
買ったら上がる、その様子を見て同じ銘柄に買い群がる人たち。
こんなにも乱高下する市場は、少し違和感を持っています。またその乱高下も理解し難い。
イーロンマスクがTwitterのプロフィールに「Bitcoin」と付けただけで、暴騰するBitcoin。
レディットでの投稿から暴騰するゲームストップやAMC。
そこに何か論理があるわけでもなく、手間暇かけたわけではなく、投資軸があるわけでもない。
触発されただけ。勢いでいっただけ。
レバレッジをかけて・多額の金額を・よく知らない銘柄に。SNSの情報やインフルエンサーの発言を頼りに投資するわけです。
これは論理でもなんでもない、一時的な感情です。
一部では、この瞬間的かつ感情的な投資は「ロビンフッド」が大いに貢献していると言います。
ロビンフッドはアメリカでかなり利用者が拡大しているスマホ証券です。
手数料無料(曰く付き)で、UIが工夫され、使いやすいと評判です。
操作が簡単かつ、提供される投資家向け情報は簡略化されています。
チャート分析で使われるチャートのオシレーター等は、何百と種類があるわけですが、ロビンフッドではわずかに「5種類」のみ提供されているようです。
とにかく簡素に分かりやすく設定されています。
それはたしかに素人でも使いやすいです。とはいえそれだけロビンフッドから「多角的な視点」を奪われているということ。
そもそもロビンフッドの手数料無料にはカラクリがあります。
ロビンフッドを利用している個人投資家は食い物にされていると思っていた方がいいでしょう。
そして、投資に関することを色々と投稿するインフルエンサーは、決してヒーローではない。
インフルエンサーがSPACやらファンドやらを作って話題になっているようですが、そう簡単ではありません。
一過性の感情や名声で上手くいく投資など、投資でもなんでもありません。ギャンブルです。
何故投資するのか、それを今一度考えるべきです。
食わされる養分になりたくなければ
熱狂している時に売り、絶望の時に買う。
感情に逆らうことが投資には必要なのです。
そこにインフルエンサーは不要です。
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